研究課題
基盤研究(C)
老化研究のモデルとして広く活用されている出芽酵母では、母細胞と娘細胞に非対称に分裂するとき、母細胞は分裂回数に伴い老化していく。細胞の老化には、両細胞間での様々な細胞内成分の不均等性が関連していることが知られている。なかでも、様々なタンパク質の質的な不均等性の蓄積も、老化に深く影響しうることが分かってきた。本研究では、分裂回数とともに老化していく母細胞に、どのような分子が古いタンパク質として蓄積していくのかを調べた。とくに、寿命が異なる細胞どうしでは不均等に蓄積する古いタンパク質が異なることが明らかとなり、そうした古いタンパク質の不均等性は細胞老化へ関連することが示唆された。
細胞老化に関わる分子メカニズムの包括的な解析では、老化の進行に伴うタンパク質発現量の変化が主な解析対象とされてきた。一方で、タンパク質の質的変化に焦点を当てた研究は例が少なく、本研究課題での古いタンパク質の不均等性は特色がある。また、高等生物における個体レベルでの老化でも、その基礎になっているのは細胞老化そのものであり、今後ますます高齢化が進む社会において、老化の根本的な要因に迫る研究は将来的な社会的波及効果も大きい。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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