研究課題
基盤研究(C)
本研究は、精子が卵管を移動する際にどのように受精能力を獲得するのかを明らかにすることを目的とした。自然交尾後のマウス精子の卵管内の移動を経時的に調べたところ、子宮側に近いところでは多くの精子が存在していたが、次第に精子数は減少して卵管の中央部以降から精子の自力遊泳が観察された。受精の場である卵管膨大部ではとても少数の精子しか見いだせず、卵子ごとにほぼひとつの先体反応をした精子が存在していた。また、この先体反応惹起で機能する卵管セリンプロテアーゼの候補を見いだすこともできた。
顕微授精に代表される生殖補助技術の発展によって、雌性生殖管を経由しない精子でも産子が誕生することが証明された。このことを契機として、雌性生殖管での精子の機能制御に生理的意義がないような錯覚が広がっている。本研究では、生殖補助技術によってバイパスされた卵管で起こる仕組みを明らかにしていくところに高い学術的意義がある。加えて、ヒトや家畜・野生動物での生殖技術改善、避妊薬開発などの新しい技術開発への波及効果も期待できる。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
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