研究課題/領域番号 |
18K06281
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石黒 澄衛 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (50260039)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 花粉 / 細胞壁 / 立体構造形成 / 多糖 / 突然変異体 / シロイヌナズナ / エキシン / スポロポレニン / キシラン / COPII小胞 / 小胞体 / タペート細胞 / ペクチン / アラビノガラクタンタンパク質 / 細胞内小胞輸送 / Ypt/Rab GTPase / 植物発生学 / 花粉形態形成 / 細胞壁多糖 / 生殖 / 雄性不稔 |
研究成果の概要 |
花粉の表面は微細な立体構造で覆われている。これはエキシンと呼ばれ、花粉を保護する軽量かつ頑丈な構造である。エキシンの立体構造は植物の種ごとに固有であることから、遺伝子が規定する構造であるといえる。本研究では、シロイヌナズナが作る網目状のエキシンがどのようなしくみで作られるのかを調べた。その結果、キシラン、ペクチン、アラビノガラクタンなどの多糖がエキシン形成初期の花粉の表面に規則的に配置されることを見出した。これらの多糖は発達中のエキシンの表面や空隙(網目)に存在すること、これらの多糖を作れない突然変異体はエキシンの構造が崩れることから、多糖がエキシン形成の鋳型として働くことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、生物が遺伝情報に基づいて種特異的な形を作るしくみの一端を解明したことである。生物の形作りにおいても、エキシンのように細胞の外に特定の構造を作るという現象は珍しい。細胞外に分泌された多糖が脂質性高分子化合物を成形する鋳型として働くという、これまで知られていなかったメカニズムが明らかになった。背景にあるのは分子の自己集合と自己組織化であり、直ちに応用展開できる成果ではないものの、自律的な組織形成に基づいた有用構造物の生産に資する基盤的な知見である。
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