研究課題/領域番号 |
18K06292
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
島崎 研一郎 九州大学, 理学研究院, 名誉教授 (00124347)
|
研究分担者 |
後藤 栄治 九州大学, 農学研究院, 准教授 (90614256)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 気孔 / アブシジン酸 / 気孔閉鎖 / 孔辺細胞葉緑体 / 活性酸素 / 孔辺細胞 / 葉緑体 |
研究実績の概要 |
以前の研究において、孔辺細胞葉緑体がアブシジン酸(ABA)による気孔閉鎖に重要な役割を果たすことを示した。孔辺細胞葉緑体の電子伝達系が光化学系1の還元側に生じる活性酸素がABA添加により増大し、そのROSが気孔閉鎖を引き起こしたと考えられた。しかし、孔辺細胞葉緑体のいずれの成分が、この応答に関与するのか全く不明であった。おそらく、光化学系1への電子伝達がABAによって増大することによるものと推定されたので、チラコイド膜に存在し、電子伝達速度を制御するK+/H+対向輸送体(KEA3)に注目した。 この輸送体(KEA3)はK+/H+の交換輸送を行うことにより、チラコイド膜を横切るH+勾配を解消し、電子伝達速度を増大させることが知られている。この輸送体(KEA3)を消失した変異体、kea3ではABAを加えても孔辺細胞におけるROSの生成は増大せず、気孔閉鎖も大きく抑制された。一方、K+/H+対向輸送を促進する薬物、nigericin, を加えると、ROS生成が増大し、気孔閉鎖も誘導された。さらに、nigericinはkea3変異体においても同様の効果をもたらした。 この結果は、K+/H+対向輸送体(KEA3)がABAによる気孔閉鎖に重要な役割を果たし、さらに、nigericinの効果は、KEA3の関与を支持している。おそらく、ABA添加によりK+/H+対向輸送体の働きが促進され、それにより光合成電子伝達速度が増大し、ROSの生成と気孔閉鎖が引き起こされたと考えられる。以上の結果は以前の報告を確認し、孔辺細胞葉緑体のK+/H+対向輸送体が、ABAによる気孔閉鎖に重要な役割を果たすことを示している。
|