研究課題
基盤研究(C)
本研究ではゼブラフィッシュを用いて遺伝子重複したPACAPおよびPACAP受容体(PAC1R)の差異の解明を目的とした。組織分布の観察により、PACAPおよびPAC1Rの重複遺伝子は異なる分布パターンを示した。PACAP投与実験により、PACAP1とPACAP2は共に摂食行動を抑制したが、PACAP1は短期記憶を増強させ、PACAP2は長期記憶と社会性行動を増強させた。PAC1R強制発現細胞の解析により、重複化したPAC1Rは活性化されるシグナル経路が異なった。これらの結果は重複化したPACAP/PAC1Rが分布・生理作用・シグナル経路が変化することにより分子進化しつつあることを示唆している。
本研究では真骨魚類独自のゲノム重複により重複化したPACAP/PAC1Rの解析を行うことにより、重複化したPACAP/PAC1Rが分布・生理作用・シグナル経路が変化していることを明らかにした。PACAPは進化の過程で遺伝子重複やエクソン重複などを繰り返しながら、哺乳類ではセクレチンやグルカゴンなどの10以上の遺伝子に分子進化したことが明らかになっている。しかし重複化した神経ペプチド遺伝子がどのように異なる遺伝子として分子進化していったかは不明な点が多く残っている。本研究結果は、多くの神経ペプチド遺伝子に分子進化してきたPACAP/PAC1R遺伝子の分化過程の解明に寄与する。
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