研究課題/領域番号 |
18K06332
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石元 広志 名古屋大学, 理学研究科, 特任准教授 (80643361)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ドーパミン / 配偶行動 / 意思決定 / 行動選択 / フィードフォワード / フィードバック / ショウジョウバエ / 性行動 / モチベーション / フィードフォワード回路 / 逆行性シナプス伝達 / GABA / Gタンパク質共役型受容体 / Ca2+イメージング |
研究成果の概要 |
配偶行動においてメスは、オスの求愛を直ちには受入れずに、まず相手を評価した後に交尾を受入れる。ショウジョウバエにおいて、この交尾前の拒否から受容への行動切換えを制御する脳の神経回路を発見し、回路を構成する神経細胞のそれぞれで、異なるドーパミン受容体が活動を制御することを発見した。本研究では、ドーパミン信号が如何にこの神経回路の挙動を制御するのかについて、回路を構成する神経細胞のドーパミン応答を生理学的に解析した。その結果、神経細胞間の接続の有無やドーパミン入力の持続時間に依存して、神経応答様式が変化すること、またこの変化の時間タイミングは、メスの行動切替を説明しうることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、交尾の配偶行動を選択決定する脳機能を担う神経回路において、ドーパミンという単一の神経伝達分子を用いながら、複数の回路挙動を分岐させる神経回路の動作原理を細胞レベルでその解明に迫った、という学術的な意義がある。この神経回路は、哺乳類の大脳基底核と機能的な類似性を示す。異性に対する親愛性、仲間との絆形成といった、他者と自己の関係性を構築するための脳の基本原理を解くために、本研究で得た知見を様々な生物間で比較することが可能になった。これにより、個体間コミュニケーションの獲得と進化の謎を解くことが期待され、また、対人関係に関わる社会問題や疾患の解決と治療に新たな方法を提供しうる。
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