研究課題/領域番号 |
18K06373
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
沓掛 磨也子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ付 (90415703)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 社会性アブラムシ / ゴール修復 / フェノール酸化酵素 / チロシン / 巨大顆粒細胞 / 菌細胞 |
研究成果の概要 |
社会性昆虫に見られる高度かつ巧妙な社会システムがどのように成立し、維持され、また進化してきたのかを知ることは、進化生物学において重要な課題である。本研究では、この問題にアプローチするため、社会性アブラムシに着目した。モンゼンイスアブラムシの兵隊は、「ゴール修復」という興味深い社会行動を示す。しかし、その分子基盤については、体液メラニン化が重要な役割を果たしていること以外はほとんど解明されていなかった。本研究課題では、兵隊で特殊化したチロシン合成・蓄積に関わる分子基盤について解明するとともに、ゴール修復の分子基盤の進化や巨大顆粒細胞の発生起源について明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
モンゼンイスアブラムシ兵隊が示すゴール修復は、体表の傷をふさぐ「かさぶた」の形成機構を著しく増強し、凝固活性が高い体液を外部に大量に放出することで、巣の傷を修復する。本研究では、ゴール修復に必要なチロシンを兵隊が大量蓄積する遺伝的基盤を、トランスクリプトーム解析から明らかにすることができた。また、フェノール酸化酵素の種間比較解析から、ゴール修復という社会行動が進化する過程で、遺伝子重複や発現組織の変化という分子進化的イベントが重要な役割を果たしたという事実が明らかになった。また、ゴール修復に特化した巨大顆粒細胞が、脂肪体細胞に由来するという新たな知見を得ることができた。
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