研究課題
基盤研究(C)
干潟は高い生物多様性を有する環境であるが,当該環境に生息する原生生物(真核微生物)に関する情報は少ない。本研究では,博多湾の和白干潟の底泥およびそこに生息するアサリから原生生物由来18S rRNA遺伝子のPCR検出を試みた。その結果,多様な原生生物に由来する塩基配列を得た。得られた結果に基づいて,干潟では多様な原生生物が低次捕食者,分解者および寄生者として生態学的に重要な役割を果たしていることが示唆された。
本研究によって,これまでブラックボックスであった干潟生態系における真核微生物の多様性が明らかとなり,当該生態系全体をより詳細に把握することが可能となった。干潟には優れた水質浄化機能や防災機能があるだけではなく,潮干狩りやバードウォッチング/散策の場として人間社会と密接なつながりがあり,世界,国,地方自治体,NPO法人等,様々なレベルでその保全活動が行われている。しかし,そうした活動では人間の目に見える動植物のみを対象としている場合が圧倒的に多い。本研究で得られた成果を学術コミュニティーだけではなく一般社会にも発信することは,干潟生態系をより正確に把握した保全活動の提言にもつながる。
すべて 2020 2019 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件)
Fisheries Science
巻: 86 号: 4 ページ: 633-643
10.1007/s12562-020-01435-z
40022290646
Aquaculture International
巻: 27 号: 6 ページ: 1739-1749
10.1007/s10499-019-00427-w
Journal of Antibiotics
巻: 71 号: 8 ページ: 741-744
10.1038/s41429-018-0053-z