研究課題/領域番号 |
18K06395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
佐藤 淳 福山大学, 生命工学部, 教授 (80399162)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アカネズミ / 瀬戸内海 / 島嶼 / ミトコンドリアDNA / MIGseq / GRAS-Di / GIS / 古代河川 / QGIS / 核ゲノム / 瀬戸内海島嶼 / 遺伝的浮動 / 遺伝的分化 / ゲノム / 次世代シークエンサー |
研究成果の概要 |
瀬戸内海島嶼に生息するアカネズミを対象に、ミトコンドリアDNA Dloop領域およびチトクロームb遺伝子の塩基配列を決定し、類縁関係を推定したところ、各島嶼の個体は単系統を形成したが、島間の関係性は不明瞭であった。次に、MIGseq法とGRAS-Di法により得られたそれぞれ11,205 SNPsと94,142 SNPsに基づき類縁関係を推定したところ、高い信頼度で各島の個体の単系統性と島間の関係性が明らかとなった。この類縁関係は地理情報システムにより推定された瀬戸内海の古代河川と完全に一致した。このことは瀬戸内海島嶼のアカネズミの遺伝的分化は、古代河川により引き起こされたことを強く示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本最大の内海である瀬戸内海がどのように形成されてきたのかは地質学的な記録からだけでは明らかとされてこなかった。本研究は、島に生息する生物の遺伝的分化という観点から地史に迫ろうとした初めての研究である。本研究においては、過去に流れていた古代河川の一つである豊予川と、芸予諸島に生息するアカネズミの系統関係との間に極めて高い一致性が見られた。このことは他地域においてもアカネズミの類縁関係から過去の地史に迫ることが可能であることを示唆するとともに、アカネズミ以外の生物についても瀬戸内海島嶼を舞台としてゲノムレベルでの分析を行うことで、瀬戸内海の地史が解明されることにつながることが期待される。
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