配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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研究実績の概要 |
近畿・中国地方に生息しているツキノワグマは,近畿北部地域個体群と東中国地域個体群,西中国地域個体群,紀伊半島地域個体群に分断され遺伝的多様性は低いことが,先行研究で報告されている.しかし,近年,分布拡大や個体数の増加にともない,近畿北部地域個体群と東中国地域個体群の境界は不明瞭になり,遺伝的多様性は上昇していた(日本哺乳類学会で報告,森光ほか2019年).過去1991年-2004年に捕獲された個体と2013年-2020年に捕獲された個体のヘテロ接合度を比較した結果では1991年-2004年東中国地域 個体群HE 0.471,近畿北部地域個体群HE 0.499であったが,2013年-2020年のヘテロ接合度は,東中国地域個体群HE 0.570近畿北部地域個体群HE 0.599であり,それ ぞれ遺伝的多様性は上昇していた.しかし,西中国地域個体群HE 0.573および紀伊半島地域個体群HE 0.55と変化は認められなかった. 昨年度に続き,上記4つの対象地域個体群において,MIG-seq法(Suyama and Matsuki, Scientific Reports 2015)により塩基多型を検出し得られたSNPマーカーを用いてSTRUCTURE解析と系統解析で集団遺伝構造を解析しこれまでのデータを補足した(n=530).その結果,マイクロサテライト分析と同じく,対象地域個体群は,円山川と由良川で過去著しい分断があったことが観察された.系統解析では,紀伊半島個体群は近畿北部地域個体群と近い系統であることが観察された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの研究成果から,近畿北部および東中国地域個体群の遺伝的多様性について回復している結果を得ている.新たに紀伊半島地域個体群と西中国地域個体群について,遺伝的多様性に大きな変化が無く遺伝子交流が,ほとんど認められないことが明らかとなった. SNPマーカーを用いた新たな地域個体群の遺伝的情報収集で,より詳細な個体群構造が見られた.現在,研究成果の公表に向けて解析と論文執筆を実施している.今年度は,育児休暇取得したため,研究が完結しなかった , 本研究は,やや遅れ進展していると評価した.
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