研究課題/領域番号 |
18K06434
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
上船 雅義 名城大学, 農学部, 准教授 (90559775)
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研究分担者 |
高林 純示 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (10197197)
小澤 理香 京都大学, 生態学研究センター, 研究員 (90597725)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 植物防衛 / ゼニゴケ / 直接防衛 / 間接防衛 / 植物間コミュニケーション / 害虫忌避 / 繁殖抑制 / 発育阻害 |
研究成果の概要 |
ゼニゴケの直接防衛と間接防衛に関して調べ、維管束植物と比較した。ゼニゴケは、チョウ目幼虫に対して発育阻害の効果は低いが高い蛹化阻害効果を有していた。植食者に食害を受けたゼニゴケの匂いは、維管束植物同様に植食者種特異的なものであり、植食者忌避能と天敵誘引能を有していた。ゼニゴケには接触によるふ化抑制能が存在したが、維管束植物でもふ化抑制能が確認された。ゼニゴケは維管束植物同様に匂いで植物間コミュニケーションを行い植食者に対する防衛を向上させた。また、これらゼニゴケの防衛にはOPDAが広く関与していることも明らかとなった。さらに、ゼニゴケは、チョウ目幼虫によって分布拡大している可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の保護や利用をすることにおいて、対象となる植物がどのようにして生きているかを知ることは非常に重要である。本研究では、植物において初めて陸上に出現したコケ植物のゼニゴケがどのように植食者とその天敵と関わり合って生きているのかを調べた。その結果、様々な方法でゼニゴケは植食者から直接身を守っているだけでなく、天敵を誘引して間接的に身を守ることもできることが分かった。これらの成果は、植物の進化を紐解く手助けになるだけでなく、害虫防除において新しい技術開発へ発展できる可能性がある。また、ゼニゴケがチョウ目幼虫に摂食されて分布を広げる可能性も発見し、植物の面白い生き方を示すことができた。
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