研究課題
基盤研究(C)
脳梗塞は、極めて発生頻度の高い疾患である。本研究は、脳梗塞の際に活性化する、内在性の神経保護メカニズムに関する解析を行った。研究代表者は、健常な脳で、ニューロンの発達を促進する転写因子Npas4が、脳梗塞後の大脳皮質ニューロンで、強く発現誘導されることを見出した。Npas4欠損マウスやアデノ随伴ウイルスを用いた解析により、Npas4が梗塞巣における細胞死を抑え、予後の運動機能を保つ役割を果たすことを見出した。虚血時のニューロンでは、虚血に伴うCa2+流入によりNpas4の発現が誘導され、Npas4は、過剰なCa2+流入を防ぐネガティブレキュレーターとして働くことを明らかとした。
脳梗塞は発生頻度の高い疾患であり、多くの寝たきりを産んでいる。本研究の成果により、脳梗塞で発現が誘導される転写因子Npas4は、脳梗塞による細胞死を防ぐための、内在性の神経保護メカニズムに必須の因子であることが明らかとなった。今後、Npas4が虚血時のニューロンにおいて細胞死を防ぐメカニズムの詳細を明らかとすれば、その経路を人工的に活性化することも可能となり、新たな脳梗塞の治療や予防に繋がると期待される。
すべて 2020 2019 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
Frontiers in Cellular Neuroscience
巻: 13 ページ: 343-343
10.3389/fncel.2019.00343
Medical Science Digest
巻: 45 ページ: 22-24
Frontiers in Molecular Neuroscience
巻: 11
10.3389/fnmol.2018.00229