研究課題/領域番号 |
18K06470
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
田村 英紀 星薬科大学, 先端生命科学研究所, 准教授 (80437516)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | エピソード記憶 / 先行学習 / 記憶痕跡 / 連合記憶 / シナプス可塑性 / セルアンサンブル / 海馬 / 扁桃体 / タンパク質合成 / ドーパミン / 恐怖条件づけ / c-Fos / マウス / ノルアドレナリン |
研究成果の概要 |
エピソード記憶の強度は、過去の経験に依存する。実際、先行学習がそれと類似した後続のエピソード記憶を強化することは自明であるが、非類似の経験が後続の学習に与える影響は明らかではない。我々は、先行学習として数分間、マウスに迷路学習をさせると、それとは全く関係なく、且つ通常では学習困難な後続学習を成立させ、そのエピソードを記憶するというこれまで見出されてこなかった現象を明らかとした。この先行学習の効果は、NMDA 受容体依存的であるが、新規タンパク質合成には依存しなかった。また、先行学習は、記憶の連合に関わる記憶痕跡に影響を与えることで、後続学習に対する記憶を増強させることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、非類似の先行学習が後続の学習効率を増大させることが明らかとなった。現段階では、実験動物の学習機能とヒトの認知活動を関連づけて論ずることはできないが、予習以外でも何らかの課題を授業前に遂行することで、その後の授業に対する学習効率が増大することが期待される。また今回の結果は、過去の経験が、後の物事の結び付きを容易にすることを示している。近年、アルツハイマー病患者において、記憶の連合が特に障害されていることが明らかとなり、本研究によって、簡単な事前学習を伴う脳のリハビリが疾患治療に有効である可能性が示唆された。
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