研究課題/領域番号 |
18K06497
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
野口 潤 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 微細構造研究部, 室長 (40421367)
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研究分担者 |
富田 浩史 岩手大学, 理工学部, 教授 (40302088)
菅野 江里子 岩手大学, 理工学部, 准教授 (70375210)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 樹状突起スパイン / 軸索ブトン / 自閉スペクトラム症 / マーモセット / 2光子顕微鏡 / 自閉症 / 2光子顕微鏡 |
研究成果の概要 |
自閉スペクトラム症(自閉症)は、神経細胞のシナプス機能の変異によってその病態がもたらされると考えられる。脳の構造や遺伝子発現がヒトに類似している霊長類であるマーモセットを用いて、大脳皮質シナプスの安定性(シナプスの新規生成と既存シナプスの消去)の解析を行った。他個体の意図を推定する機能(心の理論)に関係する背内側前頭前皮質(8野)において、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いて2/3層錐体細胞内に蛍光タンパク質を発現し、3日ごとの2光子顕微鏡観察を実施した。その結果、自閉症モデル動物ではシナプスを構成する樹状突起スパインや軸索ブトンの安定性が低下していることを支持する結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シナプスの維持や不要シナプスの除去は、他者との相互作用に必要な脳機能の実行に必須と思われる。これはシナプスの多くの分子シグナルを統合して実行されることが明らかになりつつある。今回生体マーモセットでシナプス編集の様子が直接観察可能になったことは、その生理的役割と疾患の病態を評価する上で役立つ。 また、ヒト自閉症の中核症状に効果を示す治療法を確立するためには、変容するシナプス機能を指標として治療薬剤候補を選択することが必要である。霊長類であるマーモセットでシナプス安定性の低下を見出したことは、ヒトの治療法開発の第一歩と考えている。今後はシナプス安定性を制御する分子メカニズムの解析を実施する。
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