研究課題/領域番号 |
18K06537
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021) 生理学研究所 (2018-2020) |
研究代表者 |
木村 梨絵 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (60513455)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 神経生理 / 神経回路 / 視覚野 / 行動 / マルチユニット記録 / コントラスト |
研究成果の概要 |
同じ画像を繰り返し見る経験をすることによって、その画像のコントラストが低下して見にくくなった時に強く応答する、低コントラスト優位な神経細胞が一次視覚野において増加した。さらに、この細胞が見にくい画像の視知覚に貢献していることを明らかにした。 次に、この細胞の視覚反応性がどのようなメカニズムによって生じるのかを調べた。学習後には、いずれのコントラストの画像に対しても興奮が強まったが、高コントラストでは、同時に抑制も強まった。このような興奮と抑制のバランスによって、高コントラストでは細胞が興奮しすぎることはなく、低コントラストでは細胞が十分に活動することができ、強い応答が誘導されると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
同じ視覚対象物を繰り返し見ることによって、興奮と抑制のバランスが変化し、低コントラストの視覚刺激に強く応答する細胞が増えて、低コントラストで見にくくなった画像の情報表現に貢献することを示唆する。これによって、経験した画像があいまいになっても知覚することができると考えられる。外界の情報は常に変化するが、脳はその変化に柔軟に対応しており、そのおかげで我々は安定して物を見ることができる。この研究成果は、様々な強さの入力に応じる脳の柔軟な情報表現を新たに提唱する。このような情報表現を組み入れた神経回路モデルを構築することで、人間の持つ安定した視知覚をコンピュータ上に再現することにつながると考えられる。
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