研究課題/領域番号 |
18K06620
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
中西 郁夫 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 上席研究員 (70356137)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 抗酸化物質 / ラジカル / 反応速度 / 反応機構 / 活性酸素種 / 水素移動 / 電子移動 / 物理化学 / pH / 速度論 |
研究成果の概要 |
2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルをβ-シクロデキストリンで水溶化し、緩衝溶液中における抗酸化物質のラジカル消去活性を速度論的に評価した。その結果、水溶性ビタミンE誘導体Troloxや(+)-カテキン、アスコルビン酸、コーヒー酸による水溶化DPPHラジカル消去反応はpHの上昇に伴って速くなった。また、マグネシウムイオンの添加によっても反応速度が増大し、律速段階に電子移動が関与することが分かった。さらに、重水を用いたリン酸緩衝液中で速度論的同位体効果を決定しTroloxから水溶化DPPHラジカルへの水素移動反応に量子トンネル効果が関与していることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水溶化したDPPHラジカルを用いることにより、これまで不明な点が多く残されていた水溶液中における抗酸化物質のラジカル消去活性が明らかとなった。これまで65年以上にわたり蓄積されてきた有機溶媒中におけるDPPHラジカル消去活性のデータと本研究で得られた知見を比較することで、抗酸化物質のラジカル消去活性に対する反応環境の影響を系統的に明らかにすることができ、本研究の学術的意義は極めて大きい。また、細胞実験や動物実験で得られた抗酸化活性のデータとの比較により、生活習慣病や老化の予防に応用できる高効率な抗酸化物質の開発につながる可能性があり、本研究で得られた成果の社会的な波及効果は計り知れない。
|