研究課題/領域番号 |
18K06627
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
小林 哲夫 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (80433994)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 一次繊毛 / 膵管癌 / 膵管がん |
研究成果の概要 |
膵管がん由来Panc1細胞の中心小体タンパク質CEP164に変異を入れて一次繊毛を消失させた細胞を解析したところ、細胞増殖が亢進した。一次繊毛を除く薬剤処理によってもPanc1細胞の増殖が高まったことから、一次繊毛の消失は膵管がん細胞の増殖を促進することが示唆された。また、CEP164はヘッジホッグ経路の転写因子GLI2の中心小体局在に必要であり、CEP164変異細胞ではGLI2が活性化し、Cyclin DとCDK6の発現量が増えることが分かった。さらに、がん遺伝子Kras依存的な膵管がんの増殖にCEP164が介在することも示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵臓がんの90%以上を占める膵管がんは難治性のがんである。膵管がんでは一次繊毛と呼ばれる細胞小器官が消失している。一次繊毛は多くの細胞増殖シグナルの伝達に介在し、細胞分裂とも関わることから、一次繊毛の消失が膵管がん細胞の増殖に寄与する可能性が考えられる。本研究により、膵管がん細胞における一次繊毛消失が細胞の増殖を亢進させること、さらに中心小体タンパク質CEP164はヘッジホッグシグナルに介在することが見いだされた。ヘッジホッグシグナルは膵管がんの増殖において極めて重要なシグナル経路である。これらの研究成果は、膵管がんの新たな治療法に繋がる可能性がある。
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