研究課題/領域番号 |
18K06633
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
沼澤 聡 昭和大学, 薬学部, 教授 (80180686)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 無機ポリリン酸 / 敗血症 / 盲腸結紮穿刺 / 治療薬 / マウス疾患モデル / ポリリン酸 / 腹膜炎モデル / ICAM-1 / 炎症性サイトカイン / 血管内皮細胞 / 抗炎症作用 |
研究成果の概要 |
敗血症は極めて予後不良の疾患であるが決定的な治療法がない。本研究は、無機ポリリン酸の敗血症モデル救命効果の分子機構を明らかにすることにより、敗血症の新規治療法開発に繋がる基盤を整備することを目的とする。 マウス盲腸結紮穿刺腹膜炎モデルに対して、平均重合度150のポリリン酸は顕著な延命効果を示した。ポリリン酸はモデル動物において肺血管内皮細胞の透過性を抑制し、TNF-αによる血管内皮細胞のICAM-1の発現誘導と単球細胞の接着を阻害した。従って、ポリリン酸は少なくとも一部、ICAM-1誘導の抑制を介して血管内皮細胞の機能維持と臓器障害を回避し、延命効果をもたらすものと推察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症は最終的にサイトカインストームによる多臓器不全で死に至る疾患である。敗血症には決定的な治療法がなく、治療薬開発に新規アプローチが求められている。本研究では、低用量の無機ポリリン酸が敗血症モデル動物に顕著な延命効果を示すこと、その作用点が炎症性サイトカインによる血管内皮細胞への白血球接着を抑制することにあり、その結果として血管透過性を改善し臓器障害が緩和することを明らかにした。本給の成果は、敗血症治療薬の新規開発につながるだけでなく、類似のサイトカインストームが生じるCOVID-19感染症治療にポリリン酸が応用できる可能性を示すものである。
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