研究課題
基盤研究(C)
我々は、SM合成酵素2 (SMS2) がヒト免疫不全ウイルスのエンベロープタンパク質を介した膜融合を促進することを発見した。その解析の過程で、SMS2のアイソフォームタンパク質であるSMS1とグルコシルセラミド合成酵素(GlcT) が近接することを見い出した。二つのタンパク質はゴルジ体で実質的には異なる分布を示すが部分的に共局在することが知られている。しかしながら、ゴルジ体で共局在するSMS1とGlcT の役割については不明な点が多い。免疫沈降法および蛍光タンパク質再構成法より、SMS1とGlcTのヘテロ複合体はSM産生を促進し、GlcCer産生を抑制する役割を果たしていることが考えられた。
近年、SMはメタボリックシンドロームへの関与のみならず、機能性食品素材としても注目されている。このことは、SM量は生体内で適切にコントロールされるべきであり、体内でのSM量の過剰な産生および減少は、私たちの健康寿命を縮めることを示唆している。本研究は、SM産生の制御のメカニズムの一部を解明したという学術的な発見にとどまらず、SMのメタボリックシンドロームへの関与を解明する研究基盤へと繋がっていくことが期待される。
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