研究課題/領域番号 |
18K06697
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
堀之内 孝広 北海道大学, 医学研究院, 講師 (20307771)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺動脈性肺高血圧症 / エンドセリン受容体 / カルシウム感受性受容体 / アクロレイン / 酸化ストレス / カルボニル化 / 血管内皮細胞 / 内皮型一酸化窒素合成酵素 / プロテインキナーゼC / 一酸化窒素 / カルシウムシグナル / エンドセリン / 肺高血圧症 / 翻訳後修飾 |
研究成果の概要 |
肺動脈性肺高血圧症 (PAH) の病態形成におけるポリアミン系の役割を明らかにするため,ポリアミンの代謝産物であるアクロレイン (ACR) が,血管内皮機能に及ぼす影響を解析した。ACRは,(1) カルシウム感受性受容体 (CaSR) を介した一酸化窒素の産生促進の抑制,(2) 血管内皮機能を調節するエンドセリンB型受容体 (ETBR) の分解の抑制,(3) CaSRとETBRのカルボニル化,を惹起した。そして,これらの作用は,抗酸化性物質によって抑制された。 以上の結果から,ACRは,血管内皮細胞の酸化ストレスの増大を介して,PAHの病態形成に寄与していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺動脈性肺高血圧症 (PAH) は,肺血管の拡張能低下や肺血管床の器質的変化を病態基盤とする難治性呼吸器疾患であり,肺動脈の炎症が関与していると考えられている。また,最近では,PAHの病態形成におけるポリアミン系の関与が示唆されている。本研究では,ポリアミン系の代謝産物であるアクロレインが,血管内皮細胞の酸化ストレスを増大させることを明らかにした。酸化ストレスは,組織の炎症応答に関与していることから,アクロレインは肺動脈の炎症を介して,PAHの発症・進展をもたらすと考えられた。これらの結果は,抗酸化性物質が,酸化ストレス (炎症応答) の低減を介して,PAHに奏功する可能性を示唆している。
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