研究課題/領域番号 |
18K06769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
長井 紀章 近畿大学, 薬学部, 准教授 (90411579)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ナノ結晶製剤 / 網膜 / 点眼製剤 / 界面活性剤 / 糖尿病 / バイオアベイラビリティ / ビーズミル / 湿式破砕 / ナノ結晶 / ドラッグデリバリーシステム |
研究成果の概要 |
臨床において、網膜障害は失明に繋がる重篤な問題である。我々は、点眼による網膜治療を目指し、湿式ビーズミル法を用い、ニルバジピン(NIL)ナノ結晶点眼製剤を作製した(粒子径77 nm)。本製剤を右目に点眼したところ、高い後眼部移行性が確認できた。また、非点眼群(左眼)では、網膜中での薬物検出はわずかであったことから、これら点眼後の眼後部への薬物移行は局所的であることが確認できた。さらに、このナノ製剤の点眼により、糖尿病モデル(STZラット)の低下した網膜電図(ERG)及び網膜神経節、網膜外顆粒層の肥厚が改善されることを示した。本成果が点眼による網膜症治療薬開発に繋がることを期待する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病網膜症は、失明を伴う眼疾患で、我が国だけでなく世界中で社会的に問題視されている。本疾患の現在の治療には、ステロイドや抗VEGF抗体などが用いられるが、十分な治療とはいえない。また、眼領域治療で最も多用されている従来の点眼点眼システムでは、網膜をはじめとする眼後部まで薬物が到達せず、治療効果が期待できないのが現状である。一方で、本研究では、ナノ結晶化により点眼により薬物を網膜まで送達できる技術を確立し、さらに、糖尿病モデル動物の網膜疾患治療に有用であることを示した。これら製剤技術及び治療効果は、今後の網膜症による失明患者の減少へと繋がるとともに学術的、社会的に意味のあるものである。
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