研究課題/領域番号 |
18K06829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大崎 雄樹 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (00378027)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 脂肪滴 / 中性脂質 / 核内構造体 / PML / 肝細胞 / ホスファチジルコリン / 核膜陥入構造 / PML小体 |
研究成果の概要 |
中性脂質をリン脂質一重膜が覆う脂肪滴は、細胞質のみならず、肝由来細胞および一部の非肝由来細胞では核内にも形成される。本研究では、肝由来細胞においては小胞体内腔で形成されたリポプロテイン前駆体脂質顆粒が核膜陥入構造を経由し、核膜陥入構造膜の崩壊により内腔から核質に移行して核内脂肪滴となる機序を明らかにした。さらに核内脂肪滴は特に小胞体ストレス誘導時に増加し、その表層でホスファチジルコリン合成酵素CCT alphaを活性化させ、細胞のリン脂質合成を増強させる場となること、脂肪滴分子PLIN3がCCT alphaと競合的に核内脂肪滴に結合し、リン脂質合成の内在性阻害因子となることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、肝細胞には種々のストレス下に晒された際に核内脂肪滴を用いてリン脂質合成・生体膜形成を増強させ、小胞体機能を回復し細胞障害を軽減する機構が備わることを示唆する。肝障害や肝再生時には核内脂肪滴を増強してリン脂質合成を促すことにより、あるいは肝がん細胞においては核内脂肪滴でのリン脂質合成と細胞増殖を抑制することにより、それぞれの新たな治療法に繋がる基礎的知見となった。また本研究の成果は、脂肪滴が蛋白質代謝や遺伝子発現制御など様々な反応の場となる新たな核内構造体である可能性を、医学生物学および生物物理学など複合的な学術領域に提示したといえ、学術的価値は高いと考えられる。
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