研究課題/領域番号 |
18K06892
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
本田 健 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30457311)
|
研究分担者 |
酒井 大樹 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40464367)
乾 誠 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (70223237)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 心筋細胞 / 心不全 / ペプチド医薬 / 細胞内導入 / ペプチド / ホスホランバン / 環状ペプチド |
研究成果の概要 |
心不全では、心筋小胞体膜にあるCa2+ポンプの機能が強く障害されている。このポンプを抑制している小胞体膜蛋白質ホスホランバン(PLN)の機能阻害により、ポンプ活性が向上し、心不全の改善が見られる。そのため、PLNは創薬標的として大変注目されてきたが、未だ有用な薬物はない。本研究では、PLN標的バイオ医薬を開発するため環状ペプチドに着目し、分子進化法を基盤とする網羅的探索にてPLN機能を阻害する環状ペプチドを見出した。さらに、以前開発した心筋特異的に細胞内へ侵入するベクター分子を用いて心筋内送達システムを構築し、当該ペプチドが心機能を亢進しうる可能性を見出し、新たな心不全治療薬への端緒を拓いた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現行の強心薬は細胞外からのCa2+流入を増加するため、SERCA機能の低下した心不全では細胞質内Ca2+濃度の過剰増加(Ca2+過負荷)が起きやすく、毒性が生じやすい。一方、SERCA系のみの増強は、細胞外からのCa2+流入に依存せずに収縮力の増強をもたらす。また、PLNはSERCAと異なり刺激伝導系には発現せず、本研究のようにPLNを標的とすれば、心拍への影響も少ない理想的な心不全治療薬の開発が可能となる。実現すれば急性及び慢性心不全の両方に有効で、現状では移植以外に救命の手段が無い重症心不全の治療法の選択肢にもなり得るため、社会的貢献度は大きいと思われる。
|