研究課題/領域番号 |
18K06897
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
坂本 多穂 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (80433150)
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研究分担者 |
黒川 洵子 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (40396982)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 感染症 / 骨格筋 / 性差 / 性ホルモン / ICU-AW / PICS / サイトカイン / 炎症 / 敗血症 / 炎症性サイトカイン / カヘキシー / サルコペニア / リポ多糖 / セルモーションイメージング |
研究成果の概要 |
筋力低下と筋萎縮は感染症後遺症の代表的な病態である。本研究は感染症症状・死亡率の性差に着目し、敗血症性筋力低下・筋萎縮への性ホルモンの作用を検討した。培養骨格筋細胞では、病原体内毒素(LPS)誘発性筋萎縮に対しテストステロン・プロゲステロンは有効性を示さなかったが、エストラジオールは有意に筋萎縮を抑制した。エストラジオールはさらに卵巣切除マウスにおいて敗血症誘発性筋力低下を抑制した。エストラジオールは骨格筋培養細胞においてLPSによるタンパク質分解系活性化には作用しなかったが、炎症応答を有意に抑制しており、これが筋力温存効果に関与する。本研究結果は、感染症後遺症治療に有意義である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新型コロナウィルス感染症蔓延により、長期間つづく後遺症(long COVID)が社会問題化してきた。全身のだるさ・脱力と表現される運動機能障害はその典型例である。研究チームはこれまでに感染症により引き起こされる全身炎症と骨格筋障害の研究を進めてきた。一般的に感染症症状は、女性において男性より軽度である。我々は女性ホルモンであるエストラジオールが病原体成分による骨格筋培養細胞の細胞萎縮および敗血症モデルマウスの筋力低下を抑制することをはじめて見出した。本研究結果はエストラジオールとその誘導体が感染症後遺症の治療薬として有望であることを示す。
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