研究課題/領域番号 |
18K06929
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2019-2020) 京都大学 (2018) |
研究代表者 |
今城 正道 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任准教授 (00633934)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 腸上皮幹細胞 / オルガノイド / 環境刺激 / ERK MAP kinase / EGFR / ERK / Atoh1 / 分泌系細胞分化 / 感染応答 / ハイドロゲル / 腸上皮 / 組織幹細胞 / 環境応答 / オルガノイド培養 |
研究成果の概要 |
腸上皮幹細胞の機能は様々な環境刺激に応じて変化し、それにより腸管恒常性が維持される。本研究で我々は、幹細胞の環境応答においてERK MAPキナーゼの活性動態が重要な意義を持つことを示した。腸上皮にある種の病原体が感染すると分泌系細胞への分化が促進される。その際、Notch活性の低下がERKのパルス状活性の頻度を上昇させ、それによりAtoh1を誘導することで分化を促進することを示した。また、腫瘍形成においてもERKの活性動態が変化し、そのことが腫瘍特異的な性質の一因となっていた。以上の結果は、ERK活性の動態の変化が環境応答や腫瘍形成における幹細胞の機能制御に重要な役割を果たすことを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、腸上皮幹細胞が腸内環境の変化に応じて機能を変化させ、組織恒常性を維持する機構の一端が明らかになった。特に、これまで細胞増殖に中心的な役割を果たすと考えられていたERKが幹細胞の分化方向の制御にも重要な役割を果たすことを示した。また、ERKの活性化状態の変化が腸腫瘍特異的な性質にも関与していることが明らかになった。これらの研究成果の背景には、最新の生体イメージング法によりERKの活性を生きたマウス組織やオルガノイド内で経時的に単一細胞レベルで観察可能になったことがある。この技術は他の組織や分子にも応用可能であり、今後の組織幹細胞研究においてますます重要な手法になると期待される。
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