研究課題
基盤研究(C)
生理活性ペプチド分子骨格を鋳型とするランダムペプチドライブラリから、神経系nAChRα7の様々な分子状態・コンフォメーションに対するペプチド性バインダーを試験管内分子進化技術によりに探索し候補ペプチドを取得した。次に、一分子動態計測および電気生理学計測により、これらのバインダーがnAChRのどの分子状態・コンフォメーションを認識し、受容体の機能制御に関わるかなどの特性解析を行った。本研究は、受容体やイオンチャネルなどを標的とする創薬で直面する副作用問題を回避する新たな創薬「アロステリック創薬」のプラットフォームを確立するための基盤となることが期待される。
現在進められている創薬研究の多くは、標的となるタンパク質の活性中心やリガンドポケットを狙う、所謂「オルソステリック創薬」が中心となっている。一方この方法では、リガンド結合領域を含む機能領域の配列や構造が類似するファミリータンパク質において広く作用することが多く、これに起因する副作用問題が重大な課題となっている。本研究では、タンパク質が生体機能を発揮する過程で分子がダイナミックに分子内運動をすることに着目し、その遷移状態を特異的に認識するペプチドを創製することにより、従来の問題を回避する新たな創薬「アロステリック創薬」のプラットフォームを確立するための基盤となる。
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