研究課題
基盤研究(C)
病的な内圧上昇相当の静的水圧を負荷できる細胞培養系において、種々の上皮細胞や神経細胞を培養し、細胞増殖能・細胞形態や細胞骨格系の変化、細胞間接着分子CADM1の発現変化を観察した。上皮細胞は圧負荷により細胞の形が扁平化し体積が増加するとともに、細胞倍化時間が延長した。一方、神経細胞においては、CADM1の細胞外切断(shedding)が亢進し、軸索内にCADM1の細胞内断片が生じ凝集化するとともに、軸索の変性が認められた。本断片中のAspに富む領域(25アミノ酸長)を人工的に合成し、生理的食塩水中に放置したところ、LC-MSにてAsp残基のD体化が検出された。本異性化が凝集の一因と考えられる。
内圧上昇により種々の変性病変が生じるが、その機序は未解明であり、また、根本的な治療法もない。本研究の成果として、内圧上昇の結果、上皮細胞には有意な形態の変化が惹起されるとともに、細胞の増殖も抑制されることが見出された。一方、神経細胞においては、細胞内に蛋白凝集が生じることが明らかとなり、その機序としてアスパラギン酸異性体化(D体化)の関与が示唆された。内圧上昇と密接に関連する代表的な疾患としては緑内障、水頭症、水腎症などが挙げられる。これらの疾患における変性病態を理解する上で、重要な知見が得られたと考えられる。
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