研究課題/領域番号 |
18K07072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
島田 厚良 杏林大学, 保健学部, 教授 (50311444)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 脈絡叢 / 神経炎症 / 敗血症関連脳症 / 全身性炎症 / 脳内炎症 / 敗血症 / ミエロイド系譜 / ミクログリア / ミエロイド系譜細胞 / 頭部間葉 / 脳 / 免疫系 / 骨髄 / 神経変性 |
研究成果の概要 |
敗血症のような全身性炎症反応は脳症の危険因子であるが、炎症の影響を脳に伝達する仕組みには不明な点が多い。本研究では、全身性炎症の影響を脳実質に伝える仕組みを、成体期と新生児期で比較しながら明らかにしたいと考えた。実験の結果、成体では全身性炎症が生じて1~4時間後という極めて早期に、脳脊髄液を産生する脳室内の器官である脈絡叢の中で、間質細胞および上皮細胞が多彩なサイトカインを発現しながら互いを刺激し合い、炎症性変化を脳実質へと伝達することが分かった。これに対して、新生仔脳ではサイトカイン濃度の上昇が成体に比べて長時間持続するのが特徴であり、その発現細胞が血管内皮である点も成体とは異なっていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症は全世界で年間5000万人もの人々が罹患し、1000万人が死亡する重大な疾患である。ICUで治療を受ける敗血症患者の約50%で脳症状が発生し、重症化の初期徴候であるが、画像上で脳に病変が確認できるのは約50%と謎の多い病態である。とりわけ早産児は免疫力がまだ弱く、敗血症をはじめとする全身性炎症を発症すると、発達途上の脳に何らかの病変が誘発され、脳性麻痺や神経発達症などの後遺障害をのこす。この際に全身性炎症の影響を脳に伝達する機序は不明である。我々は、ヒトでは早産児に相当する新生仔マウスを用いて新生児敗血症モデルを作製し、全身性炎症を脳に伝達する未熟脳に特有な機序の一端を明らかにした。
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