研究課題
基盤研究(C)
腸管系病原菌は、宿主細胞表面に付着し、定着するために、数多くのオルガネラを進化させてきたが、線毛はその最も顕著な例である。本研究では、腸管毒素原性大腸菌(ETEC)のオペロンにコードされたIV型線毛の一種である定着因子抗原III(CFA/III)の新規腸管付着機構を提案する。CFA/IIIは、宿主細胞表面に付着するために、線毛の先端部において分泌タンパク質であるCofJとの相互作用を必要とする。CofJには、脂質膜との結合に関与する芳香族アミノ酸残基のクラスターが存在することから、ETECの感染過程において、分泌タンパク質が宿主細胞表面とIV型線毛を橋渡しする役割を担うことが示唆された。
本研究で得られた成果は、腸管系病原菌の感染過程の理解に繋がるだけでなく、定着阻害剤等の開発への応用が可能である。定着阻害剤は、細菌を死滅させる抗生物質とは異なり、耐性菌を生じさせないことから、薬剤耐性菌問題の解決に向けた新規の感染症予防・治療アプローチとなる可能性がある。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
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