研究課題
基盤研究(C)
“何がDNAの能動的及び受動的脱メチル化を区別するのか“という学術的な問いを設定して研究に取り組んだ。その結果、免疫系における脱メチル化のプロセスは、1. 主にTETを介した受動的な機構で生じること、2. TDGを介した能動的な機構も寄与は少ないものの確かに働いていること、3. 近接するCpGが調和的に制御されること、を見出した。また、様々な国際共同研究により、DNAメチル化の新規検出方法の応用、最適化にも取り組んだ。これらの研究結果は、将来的にDNAメチル化異常によって生じる炎症性疾患の解明に繋がると考えている。
研究成果の学術的意義や社会的意義:本研究では、総説等で併記されている、DNAの能動的及び受動的脱メチル化機構の使い分けについて、複数のマウスモデルを用いて検討した。その結果、それら二つが等価ではなく、免疫系の細胞では大部分が後者の受動的な機構に依存していることが明らかとなった。これは基礎生物学上非常に重要な知見である。また、最適化したDNAメチル化の新規検出方法は、今後DNAメチル化異常と炎症性疾患との関連、あるいは腫瘍性疾患の新規診断方法を研究する上で有用なツールとなり、将来的に大きな社会的意義をもたらすと考えている。
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