研究課題/領域番号 |
18K07206
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐藤 清敏 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任講師 (50401386)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 大腸がん / DNAメチル化 / メチローム / メタボローム |
研究実績の概要 |
多細胞生物において、遺伝子発現はDNAのメチル化によって制御されている。DNAメチル化酵素DNMT3AおよびDNMT3Bは新規のメチル化を引き起こし、DNMT1はDNA複製の際にメチル化を維持することが知られている。また、ヒト細胞は癌化により様々な代謝の変化を引き起こすことが知られている。しかし、 DNMTファミリーによる癌の代謝の制御機構は未解明のままである。研究代表者らは、大腸癌の初期のステージから、DNA脱メチル化酵素を阻害する代謝物質2-HGとメチル基供与体SAM(S-アデノシルメチオニン)が蓄積し、DNAメチル化酵素DNMT1とDNMT3Bの発現が増加し、様々な遺伝子のDNAメチル化が変化していることを見出している。本研究では、DNAメチル化の異常がどのように癌特有の代謝を引き起こしているのかを明らかにすることを目的とした。まず、ヒト大腸癌細胞HCT116、DNMT1欠失HCT116、DNMT3B欠失HCT116、DNMT1/3B欠失HCT116を用いてメタボローム解析を行なったところ、DNMT1/3B欠失細胞においてポリアミン類が減少していることが明らかとなった。この結果と一致して、マイクロアレイ解析ではDNMT1/3B欠失HCT116においてポリアミン合成酵素の発現が減少していた。一方、大腸癌組織では、ポリアミン合成酵素群の発現が増加し、ポリアミン類が蓄積していた。以上の結果より、大腸癌ではDNAのメチル化の変化を介してポリアミン合成酵素群の発現が増加し、ポリアミン類が蓄積していることが示唆された。今後、ポリアミン合成経路が大腸癌の診断と治療の標的となり得ると期待される。
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