研究課題
基盤研究(C)
消化管間質細胞腫 (GIST), 急性骨髄性白血病 (AML) 等の原因の一つとして知られているKITチロシンキナーゼの活性化変異体の異常な細胞内局在と増殖シグナルの関係, 異常局在の分子機構の解明に取り組んだ。AMLのKITは、主にエンドソーム系に局在するものの、シグナルは主にゴルジ体から発信することを見出し、ゴルジシグナルという点でGISTのKITと似ていることを成果発表した (Obata et al., 2019)。複数種類の化合物の中から、KITのゴルジ停留を解除するものをスクリーニングし、現在、その化合物の標的が異常局在の原因分子であることを見出している。
これまで、がん発症の大きな原因の一つとされてきた受容体型チロシンキナーゼ (RTK) の活性化変異体は、細胞膜で細胞増殖シグナルを発信すると考えられてきたが、調べた限りのケースでは、KIT変異体はオルガネラに停留し、そこからシグナル発信することが明らかになった。他のRTKについても、似たメカニズムを見出しており、異常局在は、がん細胞の変異RTKの普遍的な特徴であることが示唆される。今後、局在異常の原因メカニズムを解明することにより、がん細胞の本態解明に繋がると考えられ、さらに、その理解に基づいた治療薬の開発の一助となると期待される。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 4件、 査読あり 3件) 学会発表 (2件)
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