研究課題
基盤研究(C)
膵癌から血液中に放出される循環腫瘍細胞は門脈血から肝臓に入り肝静脈血に流れます。しかしながら、ほとんどの循環腫瘍細胞は肝転移形成能をもたず肝臓内で排除されるため、門脈血中より肝静脈血中に肝転移形成能をもつ循環腫瘍細胞が多く分布することが予想されます。我々は、膵癌患者の門脈血、肝静脈血から採取した数少ない循環腫瘍細胞の特徴を比較し、肝静脈血中に含まれる循環腫瘍細胞がより高い肝転移形成能を持っている可能性を示唆しました。またゲノム解析により門脈血と肝静脈血の循環腫瘍細胞の遺伝子発現量には少なからず差異を認めていることが分かりました。
肝静脈血中に含まれる循環腫瘍細胞に特徴的な遺伝子の変化は肝転移形成能の獲得につながる新規のドライバー遺伝子であり、治療標的となりうる可能性が高いと考えられます。今回の研究で明らかとなりつつある門脈血と肝静脈血の循環腫瘍細胞の遺伝子発現の差異により、膵癌肝転移機構が解明されれば、循環腫瘍細胞そのものを治療標的とする創薬基盤を創出する可能性があります。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件)
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