研究課題
基盤研究(C)
本研究はナノ粒子系中に効率よく放射性核種で標識した後、生体中低分子または生体高分子を導入する方法を見いだすことで、今後の放射性ナノ薬剤の分子設計に役立つことを目的する。Cu-64は塩化銅、アスコルビン酸とシクロデキストリンを加えて加熱した後、遠心分離で精製し10%程度の収率でナノ粒子化が進行していることを確認した。そのナノ粒子にPEG鎖を超音波で分散することによって導入可能であった。またisoDGRをCu-64で標識したところ、癌細胞に集積するものの速やかに腎に排出することがわかった。
ナノ粒子化を利用した治療薬剤の開発は2000年代から研究報告が増大しており、その製剤は約30品目以上が市場にでている。すなわち今後さらに発展する可能性を秘めている。一般的に、ナノ粒子は大きな分子構造の変更なく複数の機能を組み込むことが可能であり治療と診断を融合させるには良好な素材である。そこでナノ粒子系中に効率よく放射性核種で位置特異的な標識を行い、放射性ナノ薬剤の分子設計の指標に大いに役立つことができると考えた。本研究ではCu-64とAt-211の放射性核種のナノ粒子が調製可能であることを見出したが、さらなる検討が必要であることも明らかとなった。
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