研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は我々が独自に開発したT細胞受容体(TCR)クローニングシステムを基盤に、がん組織に浸潤する制御性T細胞(Treg)の網羅的なレパトア解析を行い、クローナルに集積するTregが認識する抗原の同定を行うことである。そのため、B16F10細胞株を用いて、担がんマウスを作製し、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を調整し、それらTCRのレパトア解析を行った。その結果、B16F10に反応するTCRを同定することができた。また、BW細胞株を用いることで、CD8陽性T細胞の抗原同定を効率よく行う系を樹立した。今後はこの方法を発展させ、取得したTCRの抗原同定を行う。
近年、免疫応答負に制御する制御性T細胞(Treg)の抑制を解除することで、がんに対する免疫応答を強化する新たな治療法の開発が注目されている。しかし、がん組織内でTregがどのような抗原を認識し、抗原特異的にがん免疫応答を抑制しているかに関しては、いまだ不明な点が多い。そこで、がん組織内でクローナルに集積するTregのT細胞受容体(TCR)の網羅的な解析を行い、それらTregの抗原を同定する。さらに、同定した抗原を用いて、Tregが抗原特異的にがん免疫応答を抑制しているか否かを検証する。本研究成果はTregを標的にした新たながん免疫療法に関する重要な知見を与えると考えられる。
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