研究課題
基盤研究(C)
我々は「加齢に伴う免疫学的変化が、がん免疫療法の効果に影響を与える」という仮説を元に研究を進め、抗腫瘍免疫応答の増強戦略として炎症応答を司るマクロファージを除去した場合、PD-1阻害療法の有効性を増強することができる可能性を提唱した(Tsukamoto H. etal., Cancer Res. 2018)。さらに、老齢個体におけるマクロファージの炎症応答に対する影響の解析を進め、老齢個体での炎症の亢進は、老化に伴うマクロファージによる質的変化(老化)および、それに伴う炎症応答の増強によるものであることを突き止めた(Tsukamoto H. et al., iScience 2020)。
「個体老化に伴う免疫機能の変化」に着目して老齢マウスを用いた本研究は、「老化」と「がんに対する免疫応答」という研究分野を融合させて担がん個体の免疫応答を捉える、という他に類を見ない観点からの研究である一方、がん免疫療法の対象の多くが高齢者である、という我が国の現状に即した研究成果として、高齢がん患者におけるがん免疫療法の感受性の改善、加齢に伴う免疫機能低下を制御する上でも基盤的知見を提供するはずである。そして、これらの成果は現在行っている、ヒトを対象とした前臨床研究のきっかけとなっており、本研究にて提案されたがん免疫療法の増強戦略はさらなる臨床応用への発展が期待できる。
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