研究課題/領域番号 |
18K07355
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 (2020) 麻布大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
野元 謙作 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30786976)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 情動伝染 / 共感 / マウス / 神経活動計測 / 前部帯状皮質 / 帯状回皮質 / 恐怖反応 / 情動 / 社会行動 |
研究成果の概要 |
痛みを受けた同種他個体を観察した動物がすくみ行動などの痛み関連行動を示す現象は痛み情動伝染と呼ばれ、ヒトで高度に発達した「共感性」の起源的機能と考えられている。我々は野生由来系統であるMSMとC57BL/6Jのハイブリット系統を使って、痛み情動伝染が再現性よく惹起できる実験系を確立した。さらに痛み情動伝染中のマウスからファイバーフォトメトリーによる神経活動計測を行い、マウスが他個体の痛み行動を観察時に前部帯状皮質が活性化することを見出した。さらに薬理遺伝学を使って、前部帯状皮質から水道周囲灰白質への投射が痛み情動伝染に重要な役割を果たす予備的結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は前部帯状皮質、さらに前部帯状皮質から水道周囲灰白質への投射が痛み情動伝染に重要な役割を果たすことを見出した。これは高次連合野による本能行動のトップダウン制御に関わっていると考えられる。痛み情動伝染は、ヒトにおける「共感性」の起源的機能とも考えられており、その神経機構の解明は、「共感性」の機能障害を伴う精神疾患、また、他者信号を上手く行動選択に活かせない精神疾患の病態生理の理解に役立ち、有用な介入方法の開発につながる可能性がある。
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