研究課題/領域番号 |
18K07441
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
渡辺 志朗 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 准教授 (00222406)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 疎水性 / farnesoid X receoptor / デオキシコール酸 / ムリコール酸 / 腸内細菌 / 2次胆汁酸 / 糞便脂質排泄 / 腸管吸収 / 胆汁酸 / 16sRNA遺伝子 / 飽和脂肪酸 / FXR / TGR5 / 16s rRNA / リトコール酸 / farnesoid X 受容体 / FGF15/19 / glucagon-like peptide-1 |
研究成果の概要 |
マウスに五苓散を投与すると、糞便中の2次胆汁酸の濃度が高くなった。しかしながら盲腸内DNAの解析のみでは、五苓散が腸内細菌による胆汁酸の2次代謝を亢進したことを明確に証明できなかった。五苓散の投与は、大腸における胆汁酸受容体制御性遺伝子の発現には有意な影響を及ぼさなかった。防己黄耆湯をマウスに投与すると、糞便中のデオキシコール酸の濃度の低下と、αムリコール酸の濃度の上昇が生じた。これらの変化によって腸管内胆汁酸の疎水性が低下し、かつ腸管におけるFXR活性化が低下することで、防己黄耆湯による糞便中コレステロール濃度の上昇と、肝臓の脂質レベルの低下が生じたと推測した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
漢方薬が腸管内胆汁酸の疎水性を低くすることや、腸管におけるFXR活性を低下させることが、腸管でのコレステロールの吸収を抑制したり、肝臓の脂質代謝を改善したりする可能性を、動物実験において示すことができた。これによって腸管内胆汁酸を介する漢方薬の有効性の科学的根拠を明示することができ、漢方薬理学の進展に寄与できたと考える。また本研究の結果によって、漢方薬の臨床的利用がすすみ、高額医薬品の使用が抑えられ、医療費負担軽減につながると期待できる。
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