研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、臨床症状から精神病発症危険状態(at-risk mental state, ARMS)と判断される被験者が将来に統合失調症などの精神病性障害を発症するか否かを予測するための補助的バイオマーカーを確立することである。本研究では国内4施設(富山大・東北大・東京大・東邦大)で被験者をリクルートしたため、既存のサンプルも含め、頭部MRI撮像・臨床症状評価等を行ったARMS群、健常者とも100例を超える比較的大規模なデータベースを構築することが出来た。まず、汎用画像解析ソフトウェア(FreeSurfer)を用いたルーチン解析で得られる脳形態指標(皮質厚、表面積、灰白質体積、脳回指数、皮質下構造体積)を判別関数として機械学習法で判別分析を行ったが、8割程度の精度で将来の精神病発症を予測出来るとの予備的な結果を得た。国際共同研究としてJohns Hopkins大学と共同しlabeled cortical distance mapping法を用いた背外側前頭前野(DLPFC)の解析では、のちに精神病を発症した群(ARMS-C)において発症しなかった群(ARMS-NC)と比較して右DLPFCの体積が有意に減少しており、発症予測に役立つマーカーとなりうることが示唆された。また、Johns Hopkins大と海馬、扁桃、大脳基底核等の皮質下構造のshape analysisを共同して行う環境の整備を行った。
すべて 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
Frontiers in Psychiatry
巻: 9 ページ: 1-9
10.3389/fpsyt.2018.00574