研究課題
基盤研究(C)
概日リズム睡眠-覚醒障害のサブタイプの一つである非24時間睡眠-覚醒リズム障害の表現型は、内在性概日周期(τ)の延長や同調機構の障害により発症すると考えられている。また、動物モデルの研究では、概日時計遺伝子に変異や欠失を導入すると動物のτに変化が認められている。そこで、非24時間睡眠-覚醒リズム障害の発症に寄与する潜在的な遺伝的要因を明らかにするため、視力障害のない日本人非24時間睡眠-覚醒リズム障害患者17例を対象に、次世代シーケンサーを用いて概日・睡眠関連遺伝子76個の塩基配列を決定し、さらに17例を含む64例のN24SWDのCLOCK遺伝子とNR1D2遺伝子について配列解析を行った。その結果、CLOCK遺伝子に新規バリアント1つと既知バリアント4つ、NR1D2遺伝子に新規バリアント1つと既知バリアント8つが同定された。CLOCK遺伝子には新規ミスセンスバリアント(NM_004898.3: c.1488C>G: p.Q[Gln]496H[His])と既知ミスセンスバリアント(NM_004898.3: c.2278C>G: p.Q[Gln]760E[Glu])が、NR1D2遺伝子には新規ミスセンスバリアント(NM_005126.4: c.274 G>A: p.G[Gly]92S[Ser])および既知ミスセンスバリアントが2つ見つかった(NM_005126.4: c.696A>C: p.Q[Gln]232H[His];NM_005126.4: c.1351G>A: p.A[Ala]451T[Thr])。また、新規のNR1D2ミスセンスバリアント(G92S)を保有する症例に、新規PER1ミスセンスバリアント(NM_002616.2: c.1198G>A: p.E[Glu]400K[Lys])が発見された。本研究は、非24時間睡眠-覚醒リズム障害に概日時計遺伝子が寄与する可能性を示している。
3: やや遅れている
コロナ感染症対策のためデータ解析の作業等が遅れ、非24時間睡眠-覚醒リズム障害症例に検出された新規および既知バリアントの検証と機能解析が完了していない。
検出された新規および既知バリアントについて、概日リズムや睡眠に与える影響を検証し、非24時間睡眠-覚醒リズム障害との関連性を探る。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件)
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