研究課題/領域番号 |
18K07602
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
平野 昭吾 九州大学, 大学病院, 助教 (10568984)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 聴性定常反応 / 統合失調症 / 脳磁図 / 周波数間カップリング / 位相振幅カップリング / ニューラルオシレーション |
研究成果の概要 |
本研究により、脳磁図を用いてASSRを測定したところ、統合失調症患者では一次聴覚野においてevoked powerおよびPLFを指標とした際にASSRに明らかな異常を認めないことが示唆された。我々の先行研究において、慢性統合失調症患者群において異常なASSRを認めていたことから、今回の研究結果は驚くべきものであった。我々の先行研究では両側頭部の比較的広い領域を覆うセンサー群を解析の対象としていたことから、むしろ我々の先行研究の結果は、今回の研究結果とは異なり一次聴覚野以外の脳内電流から影響を受けている可能性があると考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、脳磁図と最先端のデータ解析手法を利用して、統合失調症患者で繰り返しその異常が報告されている聴性定常反応の測定を行い、結果として統合失調症患者の一次聴覚野においては聴性定常反応の異常を認めなかった。本研究の学術的意義は統合失調症患者の聴性定常反応の異常は一次聴覚野の異常に起因するものでなく、他の聴覚情報処理に関わる脳部位の異常によることを示唆することにある。社会的意義は統合失調症研究の有力なバイオマーカーと見なされている聴性定常反応の異常の原因は最新の手法をもってしても未解明であり、精神医学や神経科学の研究対象として非常に魅力的な生理学的指標であることを再認識させたことにある。
|