研究課題/領域番号 |
18K07609
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
山内 崇平 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20550817)
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研究分担者 |
紀本 創兵 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (00405391)
鳥塚 通弘 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (20588529)
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研究期間 (年度) |
2021-01-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / マクロファージ / TNF-α / サイトカイン / ミクログリア |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症において、中枢神経系でミクログリアの活性化など免疫系の異常が多く報告されている。同時に、末梢組織においても気管支ぜん息などのアレルギー疾患の罹患率が高いことも知られており、全身性に免疫系の異常が想定される。また、マクロファージは、自然免疫やアレルギー応答において重要な役割を担っている。これらのことから当研究課題では、自閉スペクトラム症におけるマクロファージの機能不全について検討することを目的としている。
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研究成果の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD)者のマクロファージの異常の有無について検討した。M1またはM2マクロファージに分けられるが、測定したサイトカインでは、想定していたM2マクロファージの異常はみられなかった。しかし、ASD者において、M1マクロファージのTumor necrosis factor-α(TNF-α)が高値であることが特定された。また、ASD診断において、近年癌研究などで用いられている各分子発現量のM1/M2比について検討したところ、特に、TNF-αのM1/M2比が、尤度比16.55と診断効率が高値であり、高機能ASD者のバイオマーカーとなり得る可能性について明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自閉スペクトラム症(ASD)は社会的な問題となっているが、その病態や治療法は解明されておらず、その開発は喫緊の課題である。ASDでは、脳内炎症や末梢免疫系の障害など全身性に免疫異常が観察される。マクロファージは貪食や抗原提示能力を有しており、自然免疫において中心的な役割を担っている。今回、脳内のミクログリアと発生および動態が類似している血液マクロファージについて研究した。ASD者のM1マクロファージのTNF-αが高値であること、またそのM1/M2比が高機能ASD者の診断に有用であることを示すことができた。
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