研究課題/領域番号 |
18K07690
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
川田 哲也 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (60234077)
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研究分担者 |
三島 一彦 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00282640)
公田 龍一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (00464834)
深田 淳一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50338159)
小池 直義 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60464913)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2019
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | グリオーマ / 放射線増感剤 / 5-aminolevulinic acid / 放射線増感 / 5-ALA |
研究実績の概要 |
本研究は既存薬再開発として脳腫瘍細胞における5-ALAの放射線増感剤としての薬効を証明し、その機序を解明し新規薬剤開発に繋がるような知見の発見を目的とする。 本年度の研究実績は、悪性グリオーマ細胞U251, LN229, LN428に5-ALA添加後4時間にて照射を行い、24時間後にフローサイトメーターによるアポトーシスの解析を行ったが、5-ALA単独投与ではアポトーシスの誘導はみられなかった。照射単独、5-ALAと照射の併用によるアポトーシス誘導に差はみられなかった。Caspase3の活性化状態をWestern blot法で検討したが、Caspase3の活性は48時間後で照射単独に比較し5-ALAと照射の併用では活性化がみられた。更に各細胞に対する照射72時間後TUNEL法を行なった結果、5-ALAと照射の併用は5-ALA単独投与、照射単独よりTUNEL陽性細胞が増加した。放射線増感作用の分子メカニズムを解明の目的で、DNA damageに関与し、細胞生存の重要なシグナル分子であるAKTの活性化状態をWestern blot法で検討した。その結果、照射単独に比較し5-ALAと照射の併用により、p-AKTの発現は照射後24時間抑制されることが確認できた。5-ALA添加の有無により、放射線照射後のグリオーマ細胞のDNA損傷の程度を比較する目的で、核内γH2AXの発現量を免疫染色の蛍光抗体法で検討し、5-ALA単独、照射単独に比較し、5-ALAと照射併用ではγH2AXの発現量増加が確認でき、DNA損傷修復の遅延が認められた。 照射と5-ALAの併用による細胞死の機序として、オートファジーの誘導が示唆されるため、オートファゴゾームマーカのLC3-II量はオートファジーの誘導や抑制を評価するための指標となるため、Western blot法で検討した。結果、5-ALA単独、照射単独に比較し、5-ALAと照射併用ではLC3-IIの増加傾向がみられた。 以上の結果より5-ALAは悪性グリオーマ細胞に対して有効な放射線増感剤となりうる可能性が示唆され、その増感作用の機序として、細胞周期G2-Mへの集積、DNA損傷の修復遅延、AKTの活性化の抑制、オートファジーの関与が考えられる。今後オートファジーの関与を精査する予定であった。
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