研究課題/領域番号 |
18K07701
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山本 徹 北海道大学, 保健科学研究院, 名誉教授 (80261361)
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研究分担者 |
黄田 育宏 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳機能解析研究室, 主任研究員 (60374716)
唐 明輝 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (80794156)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | MRI / oxygen / paramagnetism / relaxation / 酸素 / 緩和時間 |
研究成果の概要 |
高粘性である細胞内では酸素の常磁性緩和効果が増強されることに着目し,細胞内からの信号を強調した時系列拡散強調信号の揺らぎを解析した.安静時脳活動を表す0.1Hz以下の揺らぎは,縦緩和短縮の信号増強と横緩和短縮の信号低減が拮抗する特異的TEの存在を示唆し,この揺らぎは細胞内酸素濃度変動を反映しているといえる.また,拡散強調fMRI信号にも神経細胞内の酸素濃度変化を反映する信号が得られない特異的TEの存在が示唆され,その撮像条件(TR,TE)で得られたfMRI信号は血流変化的な挙動を示した.一方,細胞内の酸素濃度変化を強調する撮像条件では刺激開始直後から立ち上がるfMRI信号が認められた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
fMRIは,通常,神経賦活に遅れて発生する血流変化を利用するもので,神経細胞からの信号を直接捉えるものではない.fMRIを用いた論文の70%が擬陽性であるとの指摘もあり(Eklund,PNAS,2016),神経細胞の賦活を直接捉える新しいfMRIの開発が待望されている.本研究は賦活直後から発生する神経細胞内酸素濃度の速い変化を反映する信号がMR信号に現れ得ることを示し,撮像パラメータとの関係を理論的,実験的に明らかにした.本研究の成果は新しいfMRI開発上の大きな基盤となり,血流変化とは異なるこの速い信号変化を効率的に捉えることで神経電位変化追随するfMRIの完成が近づくものと考えている.
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