研究課題
基盤研究(C)
頭頸部癌94例のFDG-PET/CT画像で得られたSUVmaxの診断能を評価した。リンパ節領域のSUVmaxを計測し、病理組織と比較した。ROC解析では、AUCは0.913であった。SUVmaxのカットオフ値を3.0に設定したときの診断能は感度が81.1%、特異度が94.3%、正診度が93.1%であった。カットオフ値設定による診断の有用性が示唆された。また、ボクセルサイズがSUVに及ぼす影響をファントム実験にて評価した。3種類のボクセルサイズの画像で球のSUVmaxを測定した。3種類の条件ではSUVmaxが有意に異なっていた。分解能に応じてカットオフ値を設定する必要性が示唆された。
頭頸部腫瘍において、節外浸潤は予後不良因子であるとされ、その有無は治療方針決定に大きな影響を及ぼす。放射線治療の治療計画においても臨床標的体積の決定に必要な情報である。このため節外浸潤の診断は臨床的に非常に重要であるが、これまで診断能が高い方法は報告されていなかった。本研究によって節外浸潤の診断が非常に高い精度をもって可能になることが示唆された。また、近年導入が進んでいる高分解能PET/CT装置の導入における問題点についても新たな知見が得られ、今後更なる研究の発展が期待できるものと考えられる。
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