研究課題
基盤研究(C)
乳児期に発症する難治てんかんと重度の認知行動障害を呈するドラベ症候群は、脳の神経ネットワークにおける抑制機能が減弱し発症することが知られている。本研究では、将来的に細胞移植治療研究への発展を目指し、発達期疾患脳の病態責任領域を解剖学的に同定することを目標に実施した。マンガン造影磁気共鳴画像という技術を用い、疾患モデルラット脳の神経活動を経齢的に解析した。その結果、ヒト患者での発症ピーク齢に相当する3週齢ラットで、神経活動が脳の広範な領域で一時的に亢進していることを明らかにした。さらに、その活動亢進に関わる細胞分子病態を検索し、抑制ネットワークの成熟遅延によることが示唆された。
これまでにドラベ症候群の主な原因や病態機序に関する報告はあるが、成長とともにダイナミックに変化する臨床症状に対応する細胞分子ネットワーク病態の詳細は明らかとなっていなかった。本研究で疾患脳の大脳活動性変化をin vivoで、経齢的に、全脳レベルで、解剖学的に、明らかにできたことはこれまでにない成果である。さらに、マンガン造影磁気共鳴画像法のてんかん研究における可能性を示したことも重要である。これらは今後の病態理解、ならびに年齢や症状に応じたより適切な治療開発を目指す研究において役立ち、将来的には本症をもつ人々の福音となることが期待される。
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