研究課題
基盤研究(C)
体液生検法(リキッドバイオプシー)は、血中や体液などから低侵襲に遺伝子診断を実現することを目指しているが、体液に含まれる希少変異はSequence errorなどによるノイズの区別が困難であった。最近、そのノイズを除去する方法として分子バーコード併用次世代シークエンス(デジタルNGS)が開発され、高感度性を保ちつつ網羅性を兼ね備えた新規技術として期待されるものの、実際の臨床検体での有用性評価は不十分である。本研究では予後不良な膵癌患者の血液検体を主に用い、44%の症例からメジャーなKRAS変異を正確に検出することを確認し、また、分子標的薬の治療標的となりうるコピー数異常も検出可能であった。
採血検体から組織と同じ変異が高率に検出可能であった。実際の臨床検体を用いて、単一遺伝子のみならず網羅的な遺伝子解析が可能であったことを確認できた点が有意義である。さらに、変異DNA量が少ない検体で次世代シークエンスを行う場合、配列の読み間違い、ノイズが発生するが、分子バーコードを使用することでそれを大幅に軽減できたことを確認した点、および治療標的となりうる遺伝子異常が検出可能であった点、変異遺伝子の割合を追うことで、治療のモニタリングが可能であることを示せた点で、将来への臨床応用の可能性が近付いた。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (15件)
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