研究課題
基盤研究(C)
病期の異なるC型慢性肝炎(CHC)と健常人の血清胆汁酸組成、腸内フローラおよび肝組織RNAシーケンシング(RNA-Seq)データを用いてCHCと非CHCの肝内胆汁酸代謝酵素発現量を比較した。便中・血清胆汁酸組成は病初期から変化した。CHCでは便中デオキシコール酸(DCA)量が健常人と比較して有意に減少した。CHCでは病初期から胆汁酸代謝古典的経路の主要酵素cytochrome P450 8B1(CYP8B1)の発現量が有意に低下していた。さらに便中DCA量は腸内フローラでのレンサ球菌属の相対量と逆相関し、CHCで見られるdysbiosisの特徴は便中DCA減少と関連していることが分かった。
我々はC型慢性肝炎患者(CHC)の腸内フローラが病初期から変化し、病期進行につれて腸内フローラの破綻(dysbiosis)が顕著になることを報告した(Clin Infect Dis. 2018)。 本研究ではC型肝炎治癒後の発癌ハイリスク群囲い込みを可能にする腸内フローラモデルの実用化を目的とした。研究結果からHCV感染では肝内での胆汁酸代謝酵素の発現異常とdysbiosisが胆汁酸代謝異常を引き起こし、gut-liver axisを変化させることが分かった。またCHCと他の肝疾患ではその結果が異なることも証明することができた。
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Nagoya Medical Journal
巻: 56 ページ: 273-278
Clinical Infectious Diseases
巻: 印刷中 号: 6 ページ: 869-877
10.1093/cid/ciy205