研究課題/領域番号 |
18K08086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
高橋 健 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (70343481)
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研究分担者 |
田久保 憲行 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20306583)
田中 綾 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70334480)
板谷 慶一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70458777)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 1型糖尿病 / 心機能 / 心拍変動 / 自律神経機能 / 非線形解析 / 心室拡張能 / 拡張早期左室内圧較差 / 動物実験 / 膵島破壊モデル / 左室拡張機能 / 心臓超音波 / 流体力学 |
研究実績の概要 |
2022年度は、未だCOVID19の影響が強く、MRIや心エコーは、臨床的に強く必要とする患者以外に、臨床研究として行うことは困難な状況であった。そのため、2022年度は、COVID19の影響が少ない自律神経機能検査法の開発に多くの時間を割いた。 初めに旧型の心拍変動解析機器で心拍変動解析を試みた。しかしながら、旧型は体幹に緩く固定されるタイプであったため、データに多くのノイズが混在し、解析困難な症例も多数存在した。更に、旧型の心電計では防水性が皆無であり、シャワーを浴びるのも困難であった。そのため、COR-VIT-Rと言う、新たな生活防水性を備えた体幹密着型の心拍変動解析機器の開発を待つこととなった。開発は2022年度の初めには完成する予定であったが、世界的な半導体不足の影響を受けて、試作機の完成が2023年2月まで遅れた。 近年、1型糖尿病において低血糖発作が心機能に影響を与える可能性が示唆された。その場合連続72時間データ収集が可能なCOR-VIT-Rがより適切であり、その目的でもCOR-VIT-Rの開発を待つこととした。 一方、近年新たな幾何学的解析やフラクタル解析法という心拍解析アルゴリズムが開発された。現在まで収集した心拍変動のデータを解析したところ、フラクタル解析が最も鋭敏に自律神経異常を捉えることが解り、日本小児科学会や、日本自律神経学会にて発表した。また東京農工大学において、実験犬のおける自律神経機能と心機能の研究を開始し、心機能低下に伴い、複雑に自律神経が変化することが解った。この実験に関しては、2023年度に学会発表及び論文投稿を行う予定である。 更に、今回の研究でも用いる鋭敏な心機能指標である拡張早期左室内圧較差は、まだ様々な負荷条件での動向が不明な点もあり、動物実験を中心に継続して検証を重ね、英文学術雑誌にその成果を掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
進捗状況が遅れている理由は、COVID19の流行に起因する。心エコー及びMRIが、以前の計画にあるように自由に行えなくなったのは、病院エリアで感染症が発生するのを抑えるためであり、感染予防のためにやむを得ない方法であった。また新たな心拍変動解用のホルター心電計の開発の遅れも、OCVID19に起因する世界的半導体不足によるものであり、避けることは困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
この1年間で、新たな心拍変動計のCORVIDRを用いて、1型糖尿病患者において、血糖値を持続計測している患者の連続72時間の心拍変動解析を行い、心拍変動と低血糖の関係を明らかにする。また心拍変動は、対象者の活動量と大きく関係することが近年明らかになった。そのため、学術的に正確性の保証されたActigraphと言う活動量計も併用して、活動量に応じて1日を分類し、各活動量における心拍変動解析を試みることとにした。更に2023年5月8日より、CORVID19が感染症分類5類になるため、より診療研究が行い易くなることが予測される。既に2022年度の内に、最先端の解析プログラムは開発が終了しているので、データ収集が行われれば、研究の実行が可能である。 農工大における共同研究では、2022年の内に開始されたエコーによる心機能評価と、ホルター心電計による心拍変動解析の関係に関する研究が開始後半年以上経過し、興味深い解析結果が出始めている。 以上の結果を、2023年度は学会および学術論文として発表する予定である。
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