研究課題
基盤研究(C)
肥満により促進される心房筋リモデリングの機序を明らかにするために、ビーグル犬を用いた実験を行った。通常食に高頻度心房刺激を3ヵ月間長期に行った長時間心房細動(AF)群は、高カロリー食のみ給餌した肥満群に比較し、左房不応期が短縮していたが、高カロリー食を給餌し、同様の刺激を行った長時間AF肥満群が最も短縮し、AF誘発性が亢進していた。以上から、心房筋リモデリングはAF単独でも見られるが、肥満の存在により促進されることが明らかになった。先行研究で、2カ月の短時間AFモデルで心外脂肪・心房筋へ脂肪浸潤が見られたことから、今回の長時間AFモデルでの組織学的検証で、さらなる知見が得られると考えられる。
本研究では、肥満や心外脂肪が心房筋の電気的、構造的リモデリングを引き起こす機序における一要因を明らかにした。まず、僅か半年の肥満状態で左房圧上昇による血行動態的な変化が引き起こされ、心房細動(AF)誘発性が増加すること、さらに肥満に3カ月AFが持続すると、AF持続単独よりも左房不応期が短縮し、AF誘発性が助長されることを明らかにした。AF誘発性は、組織学的には、先行研究の肥満イヌ短期間AFモデルや短期間AFモデルでみられた心外脂肪や心房筋への脂肪浸潤や線維化が関連していると考えられるが、今回の肥満群、肥満イヌ長時間AFモデル、長時間AFモデルの追加検証にて新たな知見が得られると考えられる。
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